<技 術 経 歴>
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1971年大学卒業後、電気メーカ入社以来、一貫して郵便物自動処理機械、現金処理機械、駅務機械の技術開発および製品設計に従事してきた。これらの機械は、多様な封筒、はがき、紙幣、乗車券などの紙媒体を19m/sの高速でハンドリングし、その搬送中に情報の入出力、印字記録などを行い、情報に従って区分処理する社会自動化システム(情報処理システム)の基幹機械です。後年「紙搬送技術」と呼ばれるようになりますが、当時は世界的にも先例のない未知な技術領域であり、その中で中核的技術者としてこれらの技術開発に取り組み、多くの失敗を重ねつつも、創意工夫によって数々の新製品を世の中に送り出してきました。

特にATMの開発においては、世界初の一括式入金方式預金機の商品化に参画し、業界の技術をリードできたと思っています。紙搬送に関する多くの特許を出願し、1992年発明協会より関東地方発明表彰・発明奨励賞を受賞した。これらの開発業績のひとつである振込み機能付きスーパATMについては、機械学会「P−SC142新製品開発の成功要因調査分科会」(19881990)で他社の商品開発とともに議論・調査が行われ、「日本機械学会編:新製品開発の成功要因,三田出版会(1991)」として出版された。以上のごとくの紙幣、カード、通帳、硬貨などの媒体を自在にハンドリングし、情報処理を自動化する技術開発は、金融業務の効率化、利用者の利便性に現在でも大きな社会的寄与をしています。

後年は、未だ学理的に十分に解明されていなかった「紙搬送技術」にトライボロジー的なアプローチを行い、「紙搬送機構設計」の体系化に取り組みました。精密工学会「柔軟媒体搬送技術と学理に関する研究会」(19992002)に参加し、主として高速搬送状態のゴムローラの摩擦挙動について研究を行いました。さらにこれらの知見に基づく新技術開発に取り組み、紙葉の摩擦分離繰り出し要素技術の革新を行い、搬送経路設計のGAによる最適化法の提案(機学論文集(C編),vol.68, no.6652002)、滑り覚付きローラによる書籍めくり福祉機器の提案(機学論文集(C編),vol.72, no.7142006)などを行い、業界および学会における「紙搬送技術」の新たな発展に多少なりとも貢献できたと自負しています。

また技術教育に対しても長く関心を持ち、社内での技術者教育の体系化に取り組み、その中でも新入社員の「もの離れ」対策として、企業内での「もの作り実践教育」カリキュラムを開発(機学講演論文集,ロボメック,no.940-211994)し、その有効性が評価されました。近年の最重要課題としては技術者世代交代に対応する技術継承問題に注力してきました。設計のノウハウを後進の技術者に継承するために紙搬送機構の設計について始めて体系的に記述した「標準教程・紙搬送機構の設計:トリケップス社(2007)」を出版したり、社内ホームページに技術知識を蓄積してきました。別のアプローチとしては技術継承の方法論としてのTRIZ・USITの活用を研究し、設計における発想の重要性を伝えてきました。

以上のように入社から37年を、ほぼ技術の分野で活動し続け、2007年に60才で定年退職し、フリーになりました。


     ・1947年生まれ
     ・1971年 工学部精密工学科卒業
     ・1971年 電気メーカ入社
     ・1998年 大学院工学部機械知能工学専攻後期課程(社会人留学)入学
     ・2001年 同卒業(工学博士)
     ・2003年 電気メーカ定年退社
     ・2003年 関連エンジニアリング会社入社
     ・2006年 私立大学工学部非常勤講師(現在継続)
     ・2007年 関連エンジニアリング会社定年退社

     ・2008年 日本機械学会フェロー
     ・2008年 設計SOHO「メカトロアイデア」開設


【参加学会・研究会など】
     ・日本機械学会
     ・日本TRIZ協会
     ・(財)共用品推進機構
     ・MPUF・USIT/TRIZ研究会

開業 2008年1月




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