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「あ」→「お」 更新2008-01-06
説  明
■アフィン変換
  OCR用の画像正規化のための基本的変換方式。幾何学的な線型変換と平行移動の組み合わせによる図形や形状の移動、変形をするもので、Y=aX+bとして表現される。2次元画像の場合は4×4の行列演算で表現できる移動、回転、左右反転、拡大、縮小、などの座標変換である。アフィン変換は元の図形で直線上に並ぶ点は変換後も直線上に並び、平行線は変換後も平行線であるなど、幾何学的性質が保たれることに特徴がある。
■アブダクション(吉川弘之)
  Abduction仮説形成。成熟した知の体系においては、一般法則から個々の事実が演繹的に 導かれる。創造の過程は逆の向きをたどる。したがって創造に貢献する推論が考えられる とすれば、それは演繹に逆向する。与えられた事実を導く法則(仮説)がさまざまに考え られる以上、アブダクションは演繹の持つ必然性を欠き、創造性の徴である飛躍を含む。  アブダクションを近代とりあげたのはプラグマティズムの始祖パースであるが、分かり やすく言ってしまえば、「おもいつき」ということ。
■アルカリ骨材反応
 コンクリート中のアルカリと、骨材に含まれる反応性物質との間で起こる化学反応によってコンクリートの変形やひび割れなどを起こす現象。主要な反応形態はアルカリ・シリカ反応であり、アルカリ溶液中の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどと、骨材中の反応性シリカとが反応し、このとき、骨材の表面に生成された珪酸ナトリウムが周囲から水を吸収して、膨張する。この膨張圧やセメントペーストの水圧変化が発生し、コンクリートの変形やひび割れとなって現れる。アルカリ骨材反応を防ぐ第一の方法は、このような鉱物を含まない骨材を使用すること。しかし、反応性鉱物を検出することは容易でないため、アルカリ量の少ないセメントを用いたり、水の過剰な供給を遮断する表面処理などの工夫がされる。
■アレニウスの法則
 化学反応速度の温度依存性をあらわしたもの。(反応の速さ)∝exp(-E /RT)である。(E:活性化エネルギー、R:気体定数、 T [K]:絶対温度 )
 電子部品の寿命も基本的には化学反応なので、温度の影響に関してアレニウスの法則が適用できる。反応が早ければそれに反比例して寿命は短くなるので、寿命は上式の逆数をとり、(寿命)∝exp(E /RT)となる。この法則性を利用して加速度試験ができる。
 特に、電気屋さんの間では、電解コンデンサの寿命は「温度が10度上がると寿命が1/2になる」という形で知られている。
■暗黙知
 マイケル・ポランニーは「暗黙知の次元」で「人間の知識について再考するときの私の出発点は、我々は語ることができるより多く知ることができるという事実である。」と書いた。
■安全率
 材料や形状から定まる疲労限度の低下と、不確定要因の影響を考慮して設計上の許容応力に余裕を持たせるのが、安全率の考え方。安全率 f=fm×fsで定義される。[fm]は材料の切欠き係数、応力集中係数などの効果に対する安全率であり、一般にはfm=1.1〜1.2程度を取り、悪条件ではfm=1.5程度を取る。[fs]は使用応力に対する安全率であり、使用応力が確実に分かっている場合はfs=1.1程度を取り、応力が不確実である場合はfs=1.5〜2程度を取る。通常の設計ではf=2〜3とするが、コストダウンを徹底的に追求する場合、自動車など過去のデータベースに基づくことで、ぎりぎりのf=fm×fs=1.2〜1.3を取る場合もある。人命に関わるものは、より高い安全率f=10程度を取る。
■一般設計学(吉川弘之)
 吉川弘之が創始した工学設計の一般化概念。人間の概念はトポロジー的であり、設計行為はトポロジーで、集合と位相で説明できるとした。それまで理研で砥石という実学を追 求して、東大に戻った吉川は実験室から全ての実験装置を廃棄して、この概念を追求した 。設計とは幾何学図面を扱うことではなく、人間の思考作業であると言う。問題は自由度 がとても大きいために、それを十人の人にやらせると、ものすごく違ってくる。それは最 適でないということである。 発達心理学のピアジェのシューマ(概念の関係図)は部分集合にあたり、経験によって 獲得されたシューマが相互に関連して増殖していく。これは位相演算であるが、概念の獲 得は設計とは関係ない。設計とはシューマがいくら増えても設計にならない。シューマが 饗応して始めて設計になる。
■インシデント
 事故は、トラブル→インシデント→アクシデントと重大化する。インシデントとは些細 なこと、ありがちなことを意味する。
■インターロック
 装置の動作命令は、安全が確認される信号を受けたときのみ、実行され ること。すなわち、装置のカバー・スイッチはカバーが開けられて危険になったことを通報するだけでなく、閉められていることも通報できなければならない。カバー等が開けられて非安全になったら機械を停止させるが、カバーが閉じられて安全になったとしても、いきなり動作開始せずに、再度運転開始スイッチをONして初めて、運転再開する二重安全化しなければならない。
■インデューサー
 高速で回転するターボ機械では、メインインペラ(遠心羽根車)でキャビテーションが発生する。キャビテーションが発生すると、キャビティが流路を塞ぎ性能が劣化する。これを防止するために、メインインペラの吸い込みの直前に軸流式圧縮機をとりつける。これがインデューサである。流体はインデューサで圧縮され加圧されるので、インペラのキャビテーションが防止できる。インデューサはインペラよりも流路が広いのでキャビテーションを抑制しやすい。
 ロケットエンジンでは小型軽量化が要求されるので燃料ポンプに数万rpmのターボポンプを用いるが、そこではインデューサが必須の技術となる。
■ヴァルカニゼーション
グッドイヤーが偶然発見した加硫。ローマの火の神ヴァルカンから名付けた。
■ウォータージェット切断
 材料に超高圧水をノズルから噴射して加工を行うもので、「材料の種類を限定しない」「熱がせ発生しないから、切断部の溶融、変色、がなく、さらに材料に残留歪を与えない」という特徴をもっている。単に水だけでなく、水と研磨剤の混合液を用いる。適用される素材は、チタン・セラミックスのような難切削性材料や、逆にゴム・布・積層材のような柔軟材料が多い。
 実用化されている装置の仕様の例は、最大圧力4000kgf/cm、加工速度0〜6m/min、加工面粗さRmax 20μ、である。
疑う自由(ファインマン)
 疑いは科学にとって価値であることは明らかです。疑う自由こそ科学にも科学以外の分 野にもたいへんに重要なことだと僕は信じます。それは苦闘によって勝ち取られたもので す。疑いや不確かさが公然と認められるうになるにはたいへんな苦闘があったからです。 もし何か不確かなことがあれば、それを改善する機会があるというものでしょう。僕は未来の世代のためにこの自由を要求していきたいと思います。
■エキスパートシステム
 過去にうまくいったからといって、新しいものの設計が成功するという保証は確かにない。成功事例を追うというロジックで動く人工知能、エキスパートシステムや他のコンピュータ設計支援が限られた範囲でしか使えない理由はここにある。…ブロックレイによれば、成功したプロジェクトの説明は存在するが、「そこから学ぶべきものはほとんどない」。… 
■エストロジェン類似作用
 内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)は、動物の生体内に取り込まれた場合、本来動物の生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える。それはたとえば女性ホルモンとして機能するエストロジェンに代わってビスフェノールAなどがエストロジェン・レセプター(ER)に作用して、たんぱく質を合成し、主として生殖や成長に関する悪影響を与える。逆に男性ホルモンとして機能するのがアンドロジェン類似作用。環境ホルモンとされるのはダイオキシン、PCB、DDTなど67物質が指定されている。
■エバール
 (株)クラレの機能性樹脂で、エチレンと酢酸ビニルの共重合体。近年、自動車のガソリンタンクの樹脂化が進んでおり、主として高密度ポリエチレン樹脂が用いられる。このポリエチレンはわずかに気体を通過させるので、気化したガソリンが放出されるという問題があった。これに対して、元々かつおぶしパックの保存包装材として開発されたエバールは、気密性が非常に高いので、薄いエバールをポリエチレンでサンドイッチして成型するという方法が注目されている。
エピタキシー
 半導体基板結晶と同一結晶軸を持つ単結晶薄膜を成長させること。(エピタキシーで得られる薄膜結晶は,バルクの結晶に比べ結晶性,純度ともに優れており,また極めて薄い結晶膜や複雑な多層の結晶構造を作り出せることから,特に化合物半導体の分野では不可欠な技術である。)
■エントロピー弾性
 ゴムひもを唇に挟んで、急激に引っ張ると唇に発熱を感じる。この現象はゆっくり引っ 張っても起こらない。外部と熱の授受のない断熱変化によるゴム内部の熱発生によるものである。ゴムの分子鎖はミクロブラウン運動をしていて、その分子長さの存在確率の最も 高い位置に戻ろうと、すなわちエントロピーの増加する方向に戻ろうとする。
 高分子でも、常温でガラス遷移温度以下であるような(ようするに常温で硬い)プラスチックの弾性は金属と同じ弾性挙動になり、ゴムのようにガラス遷移温度が低い(例えば−70℃程度)高分子は常温で、極端な伸び縮みができ、この弾性挙動は、金属の結晶の弾性とは機構が異なり、これをエントロピー弾性と呼ぶ。
 一般化すれば、全ての弾性は以下のようになりますが、金属の結晶ではエントロピー項がゼロになり、常温のゴムではエネルギー項がゼロとなるということ。
     弾性=エネルギー弾性+エントロピー弾性
すなわち、エネルギー弾性は、物質の各原子が結晶的に並んでいて、外部から力を与えられると、この結合に歪が起きて、原子間の結合エネルギーが変化し、このエネルギーが小さくなろう(元に戻ろう)とする弾性です。一方、ゴムはたとえばイソプレンが100万分子もヒモ状につながって、これがこんがらがったような構造して、ガラス遷移温度以上であると、これらの分子がブラウン運動をしている。だから、各分子間距離は固定値ではなく、例えば正規分布のように確率的な分布状態にあり、この点が金属の結晶と異なる。このゴムが引っ張られるということは、先ほどの分布の存在確率が小さい方向に変化するということであり、この確率が元の高い位置に戻ろうとする(これがエントロピーの増大)ことによって弾性が得られる。
■オイラーの動摩擦
 ニュートン力学で当初、摩擦力が無視されていたのは一定速度を得る方法がなかったか らである。バーゼルで生まれペテルブルグのアカデミーで活躍したオイラーはそれまで測 定不能の動摩擦係数を明らかにした。 斜面に沿って距離Sだけすべった物体Wは、失った位置エネルギを摩擦仕事F×Sと運 動エネルギに転化する。 これから W sinθ = mv2/2 + FS 動摩擦係数 μ = tan θ − 2s/(gt2cosθ) と距離と時間で求め られる。これが、動摩擦が静摩擦より常に小さいことの証明。  
■オイラーのベルト理論
 プーリに巻き付け角 ? で巻き付けられたベルトの一端の引っ張り力をT0、他端の引 っ張り力T1とする時、微少部分の摩擦釣り合いを積分して T1=T0 exp(θ×μ) 巻き付けによる倍力機構を説明した。プーリ直径に依存しない。
 



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