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「は」→「ほ」 更新2008-05-06
説  明
π共役高分子
 1977年には白川英樹博士らが化学ドーピングという手法を使い、有機物の中でもπ共役高分子の導電率を一気に高めることに成功した。…ポリアセチレンフィルムにヨウ素を化学ドーピングして導電性を金属並に向上させた。
 共役系と呼ばれるのはそれぞれの骨格原子がある特定の軌道に電子を1個持ってお互いにπ結合している場合である。
■発生する機械(ドレクスラー)
 われわれは、本来それに備わっている過程によって複雑なかたちになるような「胎児」型の機械を作っていない。なぜわれわれは「発生する機械」を作らないのだろうか?生物が解明してきた発生の過程はあらゆる種類の器用さよりも格段に難しいからだろう。木と鉄を用意しておくだけで金づちが発生するような金づちの胚を作ることはわれわれの能力をはるかに超えている。
ハネウェル特許
 1987年ミノルタをパニックに陥れたオートフォーカス特許。ミノルタはα7000の開発で350件もの特許を出願しながら165億円の和解金を支払わなければならなかった。キャノン70億円。ニコン57億円。オリンパス42億円。ペンタックス25億円。ハネウェルの特許は確かにハネウェルに巨利をもたらしたが、この発明者名が話題になることも、またこの発明者が、オートフォーカス・カメラの真の発明者として評価されることもない。 日本企業がアメリカのプロパテントに敗北した事例として記憶すべき。
■パランの摩擦円錐
 平面上の物体の垂直反力(N)と、水平の摩擦力(F)の合力(R)の内角が摩擦角。さらにこれを回転したものが摩擦円錐。この内側に加わる力は、物体を移動させることができない。アモントンと同時代、マルクスが「製粉業は摩擦の研究と歯形の研究を発展させた」と書いたマニュフアクチャの発生時代のパランが発見した。
■半導体レーザ
 レーザは波長が一定で位相がそろい、志向性に優れ、単色性が高いいわゆる「コヒーレント」という特徴がある。
「炭酸ガスレーザ」…約10μ波長で大出力に特徴があり、切断、溶断に用いられる。
「YAGレーザ」…イットリウム・アルミニュウム・ガーネットの単結晶により約1μ波長を出す。短波長でありスポット径が小さい。
「エキシマレーザ」…触媒に塩化キセノンを使い、パルス放電させる。0.2μ波長(紫外線)であり、微細加工用。
以上のような特徴を持つレーザは主として加工用に用いられるが、出力の低い半導体レーザが、光ディスクのR/Wや、レーザプリンタなどに急速に利用されるようになっている。PN接合に順バイアスを掛けると、注入されるキャリアが多くなり、反転ブンプが生じて、誘導放射による強い発光が得られる。
■ビアノの蓋(バックミュンスター・フラー)
 あなたの船が難破して、救命ボートも全部なくなってしまったとする。その時、うまいぐあいにあなたを水に浮かべるだけの浮力のあるピアノの蓋があれば、偶然の救命具になるだろう。だからといって、救命具の最良のデザインがピアノの蓋の形だというのではない。ただ昨日偶然に考えたにすぎない工夫を与えられた問題の唯一の解決法と思い込む点で、われわれは、たいへん多くのピアノの蓋にしがみついていると思われるのだ。
ヒートポンプ
 熱は温度の高いところから低いところへ流れ、その逆は自然には起こらない。ヒートポンプは熱ポンプとも言われ、熱を低温のところから高温のところにくみ上げることができる。これが冷凍機やエアコンの原理である。
 吸熱する「蒸発器」と、放熱する「凝縮器」の間、「蒸発器」から「凝縮器」の間には圧縮機を、「凝縮器」から「蒸発器」の間には膨張弁を入れた、閉ループを形成し、その中に冷媒となる物質を流し、この物質の熱変化によって、外部との熱のやり取りを行う。
<A>「蒸発器」で蒸発した冷媒が、圧縮器に送り込まれる。
<B>圧縮され高温・高圧になった冷媒蒸気は「凝縮器」で冷却され、その熱は外部に排熱され、高圧の冷却液体になる。
<C>液化した冷媒は膨張弁で低温低圧の液体になる。
<D>低温低圧の冷媒液は、「蒸発器」で外部(たとえば冷水)から気化熱を奪うことで、吸熱して自身は蒸発する。
ヒューズ
 ある荷重になったら破断することなく曲がってしまうように特定の部品を設計する。シ ステムの中でどこをヒューズとするかということは設計の大きなポイントである。ところ が特殊条件試験である部品が破損したことから、この部品に欠陥があると指摘する試験担当者は多い。ヒューズが切れたといってヒューズの欠陥があると指摘する人間はいないのに。
ヒューリスティック
 Heuristic。単語的には「自己発見的学習」経験則をもとに、試行錯誤を繰り返して問題を解決する方法論。問題解決,判断,意思決定をおこなう際に,規範的でシステマティックな計算手順(アルゴリズム)によらず,近似的な答えを得るための解決法。
「代表性ヒューリステックス」ある事象の確率を直観的に判断する時に,限られた事例
(標本)を用いて,事象全体の確率を判断する。
「利用可能性ヒューリスティック」ある事例を思い浮かべやすければ,その事例の生起確率が高いと判断する。
「固着性ヒューリステック」一般人は,最初に直観的に判断した値や与えられた値を手がかりにして,調整を行い,確率推定する。しかし,この調整を十分におこなわず,初期値にとらわれてしまうことがある。
■ファスト・トランジェント・バースト
 EFT/B,EFT,FTBなどとも呼ばれる。コイル等の誘導性負荷がつながる回路を接点で遮断するときに、負荷の逆起電力によって、接点に断続的な放電が発生し、これがエミッションとして、電源ラインを通って、これに接続している機器に障害を及ぼす現象。
■フェイルセーフ
 Fail to safe sideのことで、異常が発生したり、故障したりするときは安全側になるように故障すること。フールプルーフは非正常な誤使用が行われても、安全であること。
■フェムト秒レーザ
 1フェムト秒とは千兆分の1秒のことで、その一瞬の間には、光でさえウイルスの大きさほどの距離しか進まない。フェムト秒レーザを時間軸上で見ると、この一瞬だけ光るパルスが一定の間隔で現れるが、フーリエ変換して光周波数軸で見直すと、光コム(櫛)と呼ばれる鋭い櫛の歯状の周波数成分(モード)が広がっている。距離を測定するには、レーザを対象物に照射し、戻ってきた光を光検出器で受ける。すると電気信号に変換される過程でモード同士のビート(うなり)により電波領域に多数の波ができる。そのひとつを物差しとして利用し、波の数と位相を測って距離を求めるのが、「フェムト秒コム距離計」の原理である。
■ブラシレスDCモータ
 DCモータは、一般的には永久磁石の固定子、巻き線ロータの組合せであるが、ブラシレスDCモータでは、巻き線の固定子、永久磁石の回転子の組合せとして、ブラシ整流子の代わりにホール素子のような磁極センサを用いたものである。ただし、巻き線は3相コイルであるので、単一DC電源で駆動することはできない。DCをインバータで、任意の周波数の交流に変換して、3相コイルに与え、速度や力を制御して駆動する。トルク特性はDCモータと同様にコイル電流に比例する。
 
■プラズマ溶断
 気体を数千度の高温に加熱すると、その中のガス原子が原子核と電子に遊離してプラスマイナスのイオン状態のプラズマとなる。たとえばタングステン電極を陽極として陰極ノズルの間にアークを発生させ、その間にアルゴンガスを送り込むと、アークで加熱されたガスが高温のプラズマ化してノズルから噴射する。この高熱ガスによって鋼材等を切断するのがプラズマ溶断技術。溶接・溶射の熱源としても用いられる。
 板厚6〜25mm程度の構造用部材には、プラズマ切断に関しては、切断速度では最も優れるものの、コストではガス切断より高くレーザ切断より低い、切断品質ではガス切断より勝りレーザ切断に劣ると考えられていたが、最近になってプラズマ切断の技術が向上し、切断する対象によってはレーザ切断に匹敵する加工品質を達成するものも開発されてきた。
■プレスブレーキの安全性
 ISO-12100のC階層(個別安全規格)において、動力プレス機構規格の見直しが行われている。この考え方は、せん断部分を持つ機構(挟み込み、切断等)の安全設計にも当てはまる考え方である。
1)指が入らない隙間…ポンチとダイ等のせん断部隙間は最大6mm以下。
2)逃げられる速度……ハサミ込み速度を10mm/s以下にする。
3)スイッチは押し切ったら「オフ」…たとえばフットスイッチでは、スイッチから足を離すと「オフ」、少し押すと「オン」、押し切ったら「オフ」とする。オペレータがバニックに陥って場合に確実に「オフ」にできる。とくに、1)の考え方が重要。
  
■ヘクサロビュラ穴
 JIS B 1107「ヘクサロビュラ穴付き小ネジ」が2004年に制定された。国内の小ネジの頭は十字穴が主流であるが、海外自動車メーカを中心に、このヘクサロビュラ穴方式が採用されるようになり、ついにJIS化された。アメリカのトルクスというネジがオリジナルであるが、六弁の花びらのような穴形状で、大きな締め付けトルクが得られること、推力が必要ないという特徴がある。
■ホットメルト
 熱可塑性樹脂を主成分とした有機溶剤を全く含まない100%固形分の接着剤で、常温では固形または半固形。ホットメルト接着剤は、加熱溶融して塗布し、冷却により固化し接着が完了するので、接着作業の高速化、自動化がしやすい。
アド
■ホールモータ
 ホール効果とは、半導体中に電流を流し、それと直角方向に磁界が横切ると、それぞれに直角な方向に電圧が発生する現象。インジュウムアンチモンとシリコンの積層構造でこの効果が得られる。直流モータの電流方向切り替えに用いられるブラシ整流子は、磨耗によって寿命が短いので、これを無接触のホール素子によって代替したものが、ブラシレスDCモータの代表例であるホール・モータ。



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