■■<ユニポーラ駆動とバイポーラ駆動>■■S-027
ホーム設計製図資料 2009-12-7記述


■一般的なハイブリッド形2相ステッピング・モータは1ステップ1.8°で、1相励磁、2相励磁、1−2相励磁の3種のシーケンスがよく利用されてきた。1相励磁は角度精度は良いが、同期外れが起きやすく、あまり使われない。2相励磁は角度精度が少し下がるが1相励磁の倍のトルクが出るので一般的によく用いられる。中間的な1−2相励磁は、1.8°のハーフステップ(0.9°)駆動により、ジッターが少なく、2相励磁より高トルクで駆動できる。通常はパワー系の伝達には2相励磁、搬送ジッターを嫌う検出系では1−2相励磁が使われる。

1相励磁 2相励磁 1−2相励磁
Φ1 Φ2 Φ3 Φ4
1 1 0 0 0
2 0 1 0 0
3 0 0 1 0
4 0 0 0 1
Φ1 Φ2 Φ3 Φ4
1 1 1 0 0
2 0 1 1 0
3 0 0 1 1
4 1 0 0 1
Φ1 Φ2 Φ3 Φ4
1 1 0 0 0
2 1 1 0 0
3 0 1 0 0
4 0 1 1 0
5 0 0 1 0
6 0 0 1 1
7 0 0 0 1
8 1 0 0 1
■ステップ角 1.8度 1.8度 0.9度
■消費電力比  1.5
■特徴 高トルク 高角度精度

■ここまでは誰でも知っている話しなのだが、「2相ハイブリッド・ステッピング・モータなのだから、コイルは2ケである。しかし上の図の励磁シーケンスは4フェーズである。2相しかないのに、なぜ4フェーズの励磁ができるのか。」という質問をすると返事に窮する技術者も少なくない。下に「見城:小型モータのすべて,技術評論社」の図を引用させていただく。同じ2相でも、モノファイラ巻線とバイファイラ巻線がある。よく見かけるのは、中間タップのでているバイファイラ巻線である。これだと2相というより4相だから、4フェーズ励磁はできそうだが、モノファイラ巻線の場合はどうするのだろうか。

<引用>見城:「小型モータのすべて」,技術評論社



ステッピング・モータの駆動方式
<引用>萩野:「モータの動作原理と特性」,SOLITON 34 SPECIAL REPORT

■上図は(a)はユニファイラ巻線のバイポーラ駆動である。(b)はバイファイラ巻線のユニポーラ駆動である。駆動回路と巻線の用語が混乱しやすい。一般論としては、ユニポーラは「単極性」、バイポーラは「双極性」を意味する。相電流の切り替えのとき、一つのコイルに対しては一定方向の電流しか流さないのが「ユニポーラ」、切り替えのたびに、電流の方向が変わるのが「バイポーラ」駆動である。ユニポーラ駆動の方が、駆動トランジスタの数が4ケと、バイポーラ駆動の半分で、回路が単純になる。

■一つの極に一つのコイルを一方向に巻くのが「ユニファイラ巻」。一つの極に2本の線を重ねて巻くのが「バイファイラ巻」である。コイルの中間タップをCとして、「A−C」と「Aバー−C」のそれぞれのコイルは逆巻きになっているので、CをE電源(たとえば24V)として「A−C」と「Aバー−C」を交互に通電すれば、その極の励磁方向を反転することができる。
 同じ鉄心に、同じ線径の巻線を巻くと、ユニファイラの方が2倍の量を巻くことができるので、その巻き数と抵抗値も2倍になる。
 一般的には、バイポーラ駆動は低速トルクが大きく、ユニポーラ駆動は高速トルクが大きい。
 下の図に「NMB」のバイポーラ駆動とユニポーラ駆動のトルク特性の違いを示す。バイポーラ駆動(ユニファイラ巻)の巻線抵抗は、ユニポーラの2倍であるが、巻数の2乗に比例するインダクタンスは4倍になっている。インダクタンスは、交番電圧において電流を流しにくくする量の比例定数である。この量は電流の変化率(ここではパルスレート)に比例する。よって、インダクタンスの大きなモータは、高パルスレートでのトルクが減少するというしくみになる。

<2012-2-22>W氏コメント
「バイポーラ駆動は低速トルクが大きく、ユニポーラ駆動は高速トルクが大きい」について一言付け加えておきます。このまま鵜呑みにすると間違えます。上記はバイポーラ駆動にもユニポーラ駆動にもできる同じモータの場合です。実際には アンペア × ターン数 なので、より巻線径の太いコイルでインダクタンスを同じになるようにバイポーラ駆動用に巻けば、同じ速度でより大きなトルクが出せます。バイポーラのほうが端子数が少なく、配線も少ないので私は推奨しています。バイポーラ駆動の方がトランジスタが2倍必要ですが、半導体技術の進歩でそれほど価格差がありません。




Copyright MechatroIdea 2009